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2012年10月

読書の秋

  何冊かの本を並行して読んでいると、内容が混ざり合って分からなくなる、ということはない。むしろ、様々な声がポリフォニーとなって、一体感を持ち出してくるときがある。

  ただ、書いてある内容があまりにも印象的な場合、和音が崩れて、例えばラッパの音だけが突出して響いているといった事態に近いことが起こる。

  先日、保江邦夫『合気の道 武道の先に見えたもの』(海鳴社、2012)を読んだが、まさにそんな本であった。筆者は実績のある物理学者であり、「冠光寺眞法」という合気系武道の創始者でもある。大東流の佐川幸義の合気を受け継ぎ、合気(保江氏の用語では「愛魂」と書いて「あいき」と読む)とは宇宙の愛であるという合氣道特有の視点を推し進めた技術体系を教えているらしい。

  そういう人が、武道の先に何を見たのか、非常に気になって本書を繙いてみると、いろいろと神秘体験などが描かれ、最後に、合気によって人の身体をコントロールするのは、UFOを操縦するための練習であった、という衝撃の発見が明かされる。

  何でも、UFOの各部品は独立した意識を持っており、それらすべてと心を通わせ一体とならなくては、コントロールができないというのである。そのために、人を相手に投げたり転ばしたりして、練習をするという訳である。

  筆者ご自身、「まともな皆さんからは変人扱いされること必至」(おわりに)と書いているように、確かにとんでもない結論である。分類するとしたら、確実にトンデモ本であろう。しかし、ぼくの中ではやはりどこかに、そういうことが事実であったら面白いだろうなという思いがあり、少年の頃『ドラえもん』やSF映画など、ファンタジーの世界に憧れた焼けぼっくいが、またぞろ燻りはじめるのである。

  風海

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