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機械あれば機事あり

  ビデオ録画しておいた映画を見ていると、物語半ばの、いいところで突然切れてしまった。昔のビデオならあり得るが、現在は番組表から予約してHDDに入れる形式なので、普通なら起こりえないことである。実際、急に画面が切れて、一体何が起こったのか分からなかった。

  機械に疎いので、どうせ何か失敗をやらかして気づかなかっただけだろうとは思うが、巨視的に見れば、映画などのんきに見ていないで勉強しなさいという天の声だったのかもしれない。その後勉強はしなかったが・・・。

  ただ、つくづく機械あれば機事ありだと思う。あまりにも有名な言葉であるが、知らない人のために解説すると、これは『荘子』外篇・天地篇にあるエピソードで、孔子の一行が楚から晋に帰ろうとする途中、一人の老人にあったというお話である。老人があまりにも非効率なやり方で畑に水やりをしているので、子貢がはねつるべを使えばいいのに、と言うと、老人は断固拒否して、件の言葉を言ったのである。

  機械とは便利な道具で、そういうものを使っていると、それがないと対処できない事態(機事)が起こってくる。そうすると、機心(機械に頼る心)が芽生える。そうなると、天真爛漫に自然の一部として生きていけなくなる、というのである。つまり、身体および五感の感度が悪くなって、うまく生きていけなくなるのである。

  人は科学技術を進歩させたが、生物としてはむしろ退化しているのではないか、と桜井章一さんがどこかで言っていた。この人は麻雀の先生だが、身体に関しては本当にまっとうなことを言うと思う。進んだのは科学技術であって、自分たちの生命現象が進歩したわけではないのである。そこを取り違えて、縄文人より現代人の方が偉いと思っているのは、やはり考え違いというものだろう。

  『荘子』原文は以下の通り。「機械有るものは必ず機事あり。機事有るものは必ず機心あり。機心胸中に生ずれば、則ち純白備わらず。純白備わらざれば、則ち神生定まらず。神生定まらざる者は、道の載せざるところなり」
  拳拳服膺してテレビの見過ぎには注意しましょう。

    風海

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