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輝ける島―獅子国紀行③

 スリランカというのはインドの南端に位置する島国で、ちょうど中国に対する台湾のような位置関係だから、台湾人が中国語を話すようにインド語(ヒンディー語)を話すかというと、そうではない。人口は八割がシンハラ人、二割がタミル人であり、使用言語はシンハラ語とタミル語である。

 タミル語は、大野晋先生が日本語の期限として比定した南インドの言語である。文法単語ともに日本語に似ているということであるが(大野晋『日本語の起源』)、今度の旅行ではそれらしい言葉を聞くことはなかった。一方、シンハラ語が、どういう系統の言語であるか不勉強にして知らない。こちらの方はよく耳にし、テレビでも聞いた。文字はジャガイモのような形の表音文字で、サンスクリットやアラビア語などの文字がくるっと丸まったような感じである。だからといって、それらと同系統であるかは不明で、テレビのアナウンサーの話す言葉は、どこか韓国語のような響きであった。

 もしかして、韓国語の起源はシンハラ語ではないか。そんな妄想がふと浮かぶ。多分99%妄想だが、根拠がないわけではない。ヴィマーラ師のお寺および本場キャンディの劇場で見た「キャンディダンス」が、韓国の伝統舞踊「サムルノリ」に、あらゆる点で酷似していたからだ。

 この文章は、あちこち前後しながら(意識の流れ重視)、蛇行して進むことにしてあるので、キャンディダンスについては今は書かない。ただ、男のダンサーが上のとがった丸い帽子をかぶっており、その先端についた紐を自ら旋回しながらくるくる回してゆく、その踊り方と、首から下げて両側からたたく太鼓、時折入るシンバル(ドラ)のリズムが、やはりサムルノリに似ている部分がある。

 無論全てが、ではない。ただ、その構成要素の大きなものに、かなりの類似が認められるので、もし無関係だったとしても比較してみると面白いと思う。韓国の方は、次第に日本の雅楽のような雰囲気も帯びているので、そこから日本は一息であるが、スリランカは少々遠い。キャンディダンスの太鼓の音も、はじめはサムルノリに聞こえていたが、聴いているうちにだんだんと木々が深くなってゆく。派手な色の鳥が飛び始め、呪術師がリズムに乗って踊り始める。正確に刻まれる太鼓のリズムによって、トランスは次第に深まり、背景に隠れていた精霊たちの姿が浮かび上がってくる。そういう力が、キャンディダンスの音楽にはあった。

 ・・・以下次項。

   風海

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