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脚本の妙

 昨年引っ越してからうっかりテレビというものを買い、これを眺めるという習慣ができたが、そのおかげでドラマをたまに見る。

  毎週楽しみにしていた『秘密諜報員エリカ』が終わってしまい、今はNHKの朝のドラマを見ている。『ひまわり』はどうもストーリーがあざとく、戦争中のエピソードなどもどこかで聞いた話をあまり加工せずに使っているような感じで、鼻白んだが、今度の『カーネーション』はほぼ同じ時代を扱っているのに、出来が格段に違う。

  脚本がいいのだと思う。役者が自由にのびのび演じている感じがするし、ストーリー展開もテンポが良くて、引き込まれる。また場面の重奏をうまく使っているのも効果的である。

  たとえば、髪結い屋の泰蔵に憧れる料亭の娘奈津が、泰蔵の祝言の日に物陰から恨めしそうに眺めているシーンが数か月前にあった。そして最近その泰蔵の息子が奈津にひそかな恋心を抱き、奈津が怪しげな雰囲気のおっさんと結婚するという場面で、柱の陰に唇をかむ息子の姿を映していた。

  こういう場面の作り方はよほど意識的にドラマの構成を学んだ人がやっているという印象を与える。脚本家の実力が非常に高いのだと思う。

  これまでテレビをあまり見ていなかったが、たまに見ると勉強になるなあ。

     風海

 

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