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ある会合

 先日、大阪市内某ホテル隣接の商業施設にて、会合があった。出席者は三人で、ぼくとSS氏とAS氏である。そこのワインセラー併設のカフェで、一杯やったのである。早く言えば「飲み会」ということになるが、その名称からは零れ落ちるものがあまりに多いので、仮にこれを「庭宴之会(セルクル・ド・ジャルダン)」ということにしておく(分かる人だけわかればいいので)。

 話の内容は多岐にわたり、とても一口では言えないが、非常に楽しい時間であった。主観的には数十分ほどしか飲んでいないはずなのに、客観的時間は四時間余りの経過を告げており、ボトルも四本空になっていた。ここで、一つはっきりしたのは、この場に妖怪酒舐めが陪席していたということである。

 ぼくたちは確かにかなりのペースで飲んでいたようである。しかし不思議なのは、さっき確認した段階ではまだ半分以上のこっていたはずのボトルが、次に見たときには空になっている、ということが繰り返されたことである。

 この事実をどう受け止めるか。ぼくたちは、三人とも明らかに酒舐め君の存在を感知したのである。彼が実在することはすでに分かっている。SS氏がビールを24本ケースで買って、これで一月に六日間休肝日が取れる、という計画をするのに、必ず足りなくなるのだ、と言っていることからも知られる通りである。SS氏は仮にも言ったことを反故にするようなタイプではない。だとすれば、その計画が必ずダメになるには、別の理由がなくてはならない。

 そこから、酒舐めの存在がクローズアップされたのである。彼はおそらく人知れず、ひそかに我々の酒をなめてやろうとしていたであろう。しかし、存在を知られたからには選択肢は二つしかない。引き下がるか、仲間になるか、である。そしてぼくたちは、彼を仲間にする方を選んだ。その証として、いいワインをたらふくごちそうしてのだから。

 こうやって、酒舐め君の存在をばらしたのにはわけがある。彼の尽力で、またこうした会合が頻繁に開かれるようになることを目論んでいるのだ。

     風海

 

 

 

 

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