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前世の因縁

 島田紳介司会の人気テレビ番組に出演している磯野某という女性タレントが、二十四も年の離れた青年と恋愛している、という話を聞いた。磯野さん47歳で、相手は23である。しかも、相手の男のほうから、一目惚れしたのであるという。周囲のタレントたちは皆一様に信じがたいという表情をしていたが、それが事実らしい。

 ぼくが気になるのは、その23歳の若者が、どういう精神および心理状態であるかということである。『イリアス』では、よく「いずれの神に頭を狂わされたか~」という表現が出てくるが、その某氏も、いずれかの神に頭を狂わされたとしか思われない。

 おそらく、前世からの因縁があったのであろう。前世の因縁とは、心の倉庫であり発動機である「阿頼耶識」に焚きしめられた「マインド」群で、それが「輪廻」の本体である。件の青年は、前の人生のどこかの段階で、強烈に何かを薫習してしまったのであろう。

 しかし、それは何も悪いことばかりではないのではあるまいか。若年にして天才を表す芸術家やスポーツ選手がいるものだが、彼らもおそらく、かつての強い薫習の結果が表に現れているのであろう。それがふとしたはずみで表に出る。すると、もう自分の力ではそれを変えることが難しくなってしまうのである。文章家や画家などが、しばしば「書(画)かざるを得ない」「自分以外の力に書(画)かされている」、という所以である。

 先日も、テレビで四、五歳くらいで「天才」と称される女の子の絵を見た。オーストラリア人で、アメリカで個展を開いたという。絵自体は、ぼくは好みでなく、家に飾ろうとは到底思わないようなものであったが、色彩感覚や構図などはすでに完成された芸術家の「風格」を感じた。幼稚園児がこのような絵を描くとは、まったくもって信じがたいが、これも前世の因縁であると思えば納得がいく。

 このように、前世の因縁(阿頼耶識の状態)には、いいことも悪いこともあるのだが、どちらかといえば、よろしくないことが多いようである。他人には何でもないことに対して、急に猛烈に腹が立つとか、ついよくないと思うことをしてしまうとか、といった個人的なものから、国や社会が良くない方向へ向かっているといった事柄などである。

 因縁で膨れ上がった阿頼耶識をスマート化することができれば、心と体、そして生活全般がシンプルで楽なものになるに違いない。

   風海

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