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久木のもり その②

 久木さんの作品は、絵自体の出来もさることながら、タイトルの付け方が実にいい。どれも、ぼくの語感にぴったりとおさまってくれる。
 木の葉のデフォルメされた形状が面白い大木の下に、ふとったバクのような馬が草を食んでいる「厳橿(いつかし)がもと」、釣鐘を逆さにしたような木々を描く「夏山の木末(こぬれ)」、いろいろな木に様々な鳥を配した「それぞれの木にそれぞれの鳥」、生命樹のような木の下で春の女神が見上げる天空を高く舞う鳥が印象的な「春をつげる」などである。

 すべてそれ自体で物語を内包しているではないか。これらのタイトルの向こうに、絵の画面が広がっている。そして、その奥に物語が、いまにも紡ぎだされるのを待っているのである。さらにその物語は詩をうちに秘め、詩は音楽とともに流れ出てくる。

 これは宇宙が生命を通じて行っている創造行為そのものではないか。かむなびの久木のもりは、いつもそんな神秘に満ちている。

       風海

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